NPO法人 えんの森「三郎川魚道修復活動報告書」(2014年11月)
三郎川簡易魚道は2008年10月、三郎川魚道設置委員会が主体となって設置しました。委員会は現在、NPO法人えんの森が事務局となり、「緑の回廊」推進委員会、西円朱別連合会、NPO法人霧多布湿原ナショナルトラスト、浜中町農協などで構成しています。設置目的は、日本最大の淡水魚イトウをはじめ三郎川に生息する魚類の遡上環境の改善です。住民が地域の自然環境を良くし、生きものの豊かな川を取り戻したいと発意し、関係機関との調整、費用調達、設計、施工まで手がけた全国でも例の少ない「手づくり」の魚道です。
saburougawa_report.pdf
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札幌ワイルドサーモンプロジェクト/ニューズレター創刊号(2015年1月)

ここから始まる札幌ワイルドサーモンプロジェクト

豊平川さけ科学館30周年記念フォーラムから

木村 義一氏/有賀 望氏/畠山 亜希子氏/荒木 仁志氏/中村 太士氏

 

194万都市・札幌を流れる豊平川を舞台に2014年、画期的な自然復元計画がスタートしました。その名も「札幌ワイルドサーモンプロジェクト」。人工ふ化放流によって1980年代に自然遡上が復活したサケ個体群を、人の助けによらず自力で世代交代していける「野生魚」に戻すのです。11月3日、札幌国際ビル会議場に超満員の聴衆を集めたお披露目フォーラムのもようをお届けします。

 

http://www.sapporo-wild-salmon-project.com

後志管内におけるサクラマス自然再生産個体群の現状について(資料)

卜部浩一、藤原 真、宮腰靖之、神力義仁、下田和孝、川村洋司、佐々木義隆、隼野寛史

北海道立総合研究機構さけます・内水面水産試験場

北水試研究報告 第84号(2013年9月発行)

http://www.fishexp.hro.or.jp/cont/marine/o7u1kr000000e9m4.html

十勝川水系におけるサケ・サクラマスの産卵環境評価(資料)

卜部浩一,三島啓雄,宮腰靖之

北海道立総合研究機構さけます・内水面水産試験場

北水試研究報告 第84号(2013年9月発行)

http://www.fishexp.hro.or.jp/cont/marine/o7u1kr000000e9m4.html

人工ふ化放流河川におけるサケ野生魚の割合推定

森田健太郎, 高橋悟, 大熊一正, 永沢亨. (2013) . 日本水産学会誌 79: 206-213. 

https://www.jstage.jst.go.jp/article/suisan/79/2/79_12-00054/_article/-char/ja/

 

サケ資源はほとんどが放流魚で維持されていると考えられているが,これまで野生魚(自然産卵由来)の寄与率は調べられていない。本研究では,耳石温度標識による大量放流が行われている北海道の 8 河川において,サケ野生魚の割合を推定した。ウライで捕獲されたサケに占める野生魚の割合は,調査河川全体で計算すると28.3±1.2%,放流魚の全数が標識されている河川に限定すると 15.9±0.6% と推定された。野生魚の割合は河川や年級群によって大きく変動したが(0~50%),野生魚も十分に資源に貢献しうると考えられた。

人工ふ化放流河川におけるサケの成熟年齢・サイズの野生魚‐放流魚間比較

長谷川功, 森田健太郎, 岡本康孝, 大熊一正(2013) .日本水産学会誌 79: 657-665.

https://www.jstage.jst.go.jp/article/suisan/79/4/79_12-00087/_article/-char/ja/

 

これまでサケ資源のほとんどは放流魚だと考えられていたが,最新の研究によって野生魚もある程度含まれていることが示された。次に野生魚と放流魚の差異を明らかにすることは両者の適正管理につながる。そこで,本研究では,放流魚のすべてに耳石温度標識が施されている北海道の 3 河川で成熟時の年齢と体サイズを野生魚と放流魚間で比較した。その結果,野生魚の方が放流魚よりも高齢で大型である河川,年齢と体サイズともに違いがみられない河川,若齢時は野生魚の方が大型であるが高齢になると大小関係が逆転する河川があった。

北海道千歳川におけるサケの自然再生産効率

森田健太郎, 平間美信, 宮内康行, 高橋悟, 大貫努, 大熊一正(2013) .日本水産学会誌 79: 718-720

https://www.jstage.jst.go.jp/article/suisan/79/4/79_12-00086S/_article/-char/ja/

 

北海道千歳川のウライ(上りやな)上流域において,2011 年度中に自然産卵するサケの親魚数を推定するとともに,自然産卵由来の野生サケ稚魚数を推定し,サケの自然再生産効率を推定した。約3,700~4,400尾のサケ親魚が自然産卵し,約121万尾の野生サケ稚魚が自然産卵によって発生したと推定された。自然産卵に基づくサケ雌親魚 1 尾あたりの稚魚生産数は約550尾,卵から稚魚までの生存率は約 20%と推定された。サケの自然再生産は,生物多様性の保全のみならず,ある程度の増殖効果も期待されると考えられた。